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金沢大学法科大学院支援委員会
1 当委員会の概要
当委員会は、「地域に根差した法曹教育」を基本理念とする金沢大学法科大学院の法曹教育の充実・発展のために、下記のとおり多彩な活動を行っております。
委員会の構成メンバーの多くが金沢大学法科大学院出身の弁護士であることからも、その支援活動は非常に熱心なものとなっており、多くの学生が法曹になるという目標を達成できるように全面的にバックアップすることを目的に活動しております。
当委員会にはオブザーバーとして金沢大学の教員も参加しております。弁護士・教員が密接に連携する機会を設けることで、当委員会は金沢大学法科大学院が地域に根差した法曹を輩出することに力添えを行っています。
金沢大学法科大学院を修了し北陸三県で登録している弁護士数は令和2年4月現在で50名となり、今後も増加することが見込まれます。
2 現在の活動紹介
(1)エクスターンシップの実施
金沢大学法科大学院の学生が法律事務所で2週間の研修を行い、法科大学院で学んだ知識が実務でどのように生かされているのかを体感するプログラムです(金沢大学法科大学院の単位認定科目となっております)。
支援委員会に所属する弁護士が中心となって学生の受け入れ先となり、法律相談に同席させる、簡単な法的文書を作成させるなどの指導を行います。
例年、このプログラムには法科大学院の学生のほとんどが参加しており、早期に実務に触れる貴重な体験をするとともに、自らが目指す法曹像を確立するなど、大きな役割を担っております。(2)クリニックへの弁護士派遣
クリニックとは、学生が市民の法律相談を主体的に体験することができるプログラムです(金沢大学法科大学院の単位認定科目となっております)。
支援委員会に所属する弁護士が学生の法律相談に同席し、すぐそばで助言を与えつつ、学生全員での法的論点の議論に対して適切な指導を行います。
学生は、市民の生の法的問題を主体的かつ積極的に解決する体験を通して、法曹になる自分の未来に確信を持つようになります。(3)自習支援活動
実際に司法試験で問われた事案をもとに弁護士が学生を指導する活動です。法的な問題を単なる暗記として扱うのではなく、事案に含まれるどのような事実をどのように評価すべきなのかなど、法曹実務家としての事実の分析を重視しています。学生に意見を述べさせつつ、一緒に考えることで、法曹に必須な能力である考える力を養成します。
年間を通して課題を選別し、スケジュールを組み、概ね1月に2回のペースで開催されます。(4)学生との意見交換会
当委員会では年に1回、金沢大学法科大学院の学生と意見交換会を開催しております。金沢大学法科大学院をより魅力的な法曹養成機関にするためには、法科大学院内部からの教員による改革の他に、実務家としての弁護士の目線での提言が必要であると考え、行われるようになりました。
学生にとっては、教員には言いにくいことを先輩である弁護士に伝えることができるよい機会となります。その貴重な意見を建設的な提言にまとめて、大学院側に報告するといった活動が主となります。また、司法試験に合格して法律実務家となった先輩等から、司法試験に挑戦するにあたっての心構えなど、勉強に対する疑問や不安に対するアドバイスを受けることができる場となっています。(5)金沢大学法科大学院との意見交換会
当委員会では、金沢大学法科大学院において前期、後期の2回それぞれ1か月程度設けられた授業参観期間に授業参観を行い、その後開催される教員との意見交換会において活発な意見交換を行っております。
支援委員会所属弁護士は、法曹実務家の立場から、法科大学院において如何なる教育が望ましいかについて具体的な提言を行っています。(6)チューターの派遣
当委員会から、金沢大学法科大学院にチューターとして毎年2名の弁護士を派遣しております。
学生は、試験対策を含め様々な疑問を持つものです。チューターは、毎月数回金沢大学法科大学院に赴き、学生からの種々雑多な相談に対応します。
法的な論点についての質問や学習方法に関する質問はもとより、心身の不調などの相談についても対応し、学生の兄・姉のような存在として法科大学院に関わっております。(7)合宿
当委員会では、数年前から合宿を実施しております。実務家である弁護士から出題される論文問題を学生が一斉に解答し、基本的な論文技術をアットホームな雰囲気で学習することができます。懇親会を含め、学生のほとんどが参加します。
弁護士と学生のコミュニケーションはもちろん、規模が大きいとはいえない金沢大学法科大学院における学生同士の縦横の交流も大きな目的となっています。
毎年、学生からは、「実務家と身近に触れ合える機会となった。」、「先輩たちに刺激を受けた。」など、参加してよかったとの高い評価を得ております。